二地域居住から始める田舎暮らし

二地域居住で始める田舎暮らし

田舎暮らししたい。でも移住には不安がある方におすすめするのは週末別荘・二地域居住です。
都会で地震・災害時の避難先としても注目される二地域居住について書いています。

二地域居住について

二地域居住とは

二地域居住とは、日常生活・仕事への通勤の為の自宅とは別に週末など休日を田舎で暮らすプチ田舎暮らしです。
いわゆる「別荘」とは少し感覚が違うもので、リゾート感覚の物件よりは農村や漁村などの住宅で二地域居住される人が年々増えています。
国の政策としても国土交通省が地方の定住人口を増やすこと共に二地域居住についても推進を図っており、2020年に680万人、2030年には1080万人もの潜在二地域居住人口を想定しているようです。

二地域居住のメリット・デメリット

二地域居住のメリット

①生活の基盤を変えない為、田舎暮らしを始めやすい。
②地震などの災害時の避難・疎開場所としての機能。
③都会のマンションなど省スペースの場合、普段使わない荷物の置き場として。
将来の移住先として準備できる。

などが挙げられます。
将来的に移住を検討されている方は、まず二地域居住から始めてみて田舎暮らしを続けていけるか?ご近所との付き合い、人間関係をゆっくりと構築するなど将来へ向けて準備できる点のメリットは大きいでしょう。また、移住のように生活基盤を変えない為、継続が難しいとなれば移住を思いとどまる事も可能です。(そのまま週末別荘で利用するか売却・賃貸解約するかなどの選択は必要となりますが)
そして、昨今、全国各地で地震等の災害が増えています。物件自体が災害に見舞われないとは限りませんが、首都直下型地震や南海トラフなど都市機能がマヒするような事に備えて二地域居住を検討する方も多くいらっしゃいます。

一方、デメリットは2軒の家を持つことによる費用(物件購入・賃借の費用、維持管理費用、交通費など)また、清掃や管理等の実働負担です。この辺りは物件により変わります。 例えば、別荘地内の物件であれば、毎月の管理費がかかりますが、敷地内の草刈りや建物の清掃、見回りパトロールを行ってもらえるなどのサービスを行っている所もあります。もちろん清掃サービスなどを利用するとかなり高額になります。また、サービスを利用しなくても最低限の管理費が必要となります。
その点、本頁で主に取り上げる二地域居住田舎暮らし物件では月額の管理費など高額なものは必要ありませんが、敷地内の草木の伐採、室内清掃など日常生活の自宅とは別にもう1軒管理するということが負担となります。(もちろん便利屋さん等外部委託するという選択肢もあります)

二地域居住の新しい働き方

政府の二地域居住の推奨により対応する企業・自治体も増えてきています。
特に東京都心に近い、茨城県や千葉県など首都近郊の自治体では民間及び建築家などと連携し空き店舗をリノベーション・シェアオフィスにするなどの取り組みも進んでいます。
在宅勤務やフレックスタイムなどを導入している企業の社員は週2~3日都心での勤務、残りを地方で在宅勤務という働き方も可能になります。
地方移住する方にとって一番ハードルが高い部分が「仕事」なので、こういった取り組みが進めば地方移住者や二地域居住者を呼び込む事ができるでしょう。
地方の過疎化、増え続ける空き家にも歯止めがかかる事を期待します。

二地域居住候補地の探し方

さて、二地域居住の候補地の探し方ですが、まず第一に現在の自宅から車で2時間~3時間圏内。距離が遠くなればなるほど交通費もかかりますし、時間的にも二地域居住は続きません。候補となる圏内で自身の二地域居住の目的を達成できるかどうかが大事です。ご家庭の状況にもよりますが、お子様を地方の学校へ通わせ、ご主人様だけ平日は都心で単身赴任のような形態をとるというスタイルやご家族そろって週末は地方で過ごされる方など、実際の生活をイメージして候補地を探しましょう。

二地域居住にかかる費用

二地域居住に関する費用は以下の様なものがあります。購入する場合と賃貸の場合で異なりますが、家賃が高い物件の場合、当然維持費用が高くなります。田舎物件では賃貸より売買物件の方が多い為、取得後の維持費があまりかからない物件があれば、10年くらいのスパンで見ると売買物件の方がお得になる事が多いです。賃貸の場合、家賃が安い物件もありますが、補修費が自己負担という場合もあり、結局購入した方が良かったという事もあるので長期間のトータルで比較検討するといいでしょう。

【購入する場合】
購入時費用
 土地建物の売買代金
 売買仲介手数料 売買代金の3%+6万円+消費税 ※価格による
 所有権移転登記費用
 固定資産税日割り清算・収入印紙等 
 火災保険料
 家財購入費等
 取得税 (購入約半年後)

維持費用
 固定資産税
 水道光熱費
 通信費 (インターネット固定回線を引く場合・ケーブルテレビ等)
 維持管理に伴う費用
 火災保険料
 交通費

【賃貸の場合】
契約時初期費用
 敷金・礼金 
 家賃保証料(家賃保証会社)
 初月家賃等
 火災保険(家財保険・借家人賠償保険)
 家財購入費
 
維持・生活費
 家賃
 火災保険(家財保険・借家人賠償保険)
 通信費 (インターネット固定回線を引く場合・ケーブルテレビ等)
 水道光熱費
 交通費

上記が二地域居住に必要な費用項目です。
購入の場合、購入時に1,000万円前後、維持費用が年間40万円~+交通費を見積もっておきましょう。
賃貸の場合、月額5万円の家賃として、初期費用に30~40万円、維持費用が年間100万円~+交通費が必要となります。
二地域居住には多額の費用がかかる為、通常の移住に比べかなりゆとりのある方が対象となってきますが、一定水準の収入のある方で将来の移住や週末田舎暮らしを楽しみたい方等のライフスタイルを優先する場合、荷物の保管場所や災害時の避難場所という機能も含めて考えてみてはいかがでしょうか。

災害時の避難場所として

昨今は全国各地で地震・噴火等が相次いでいます。災害時の疎開先として、自宅から程近い圏内に別宅があれば役に立ちます。
週末別荘のような利用方法の場合は家財道具や食材もあり、年に何度かしか使わない別荘に比べ通常の生活が送れます。
また、南海トラフや首都直下型地震のような予測される大規模災害の際は生活の基盤を移す事も可能になります。
ただ、あまりに近すぎると同時に被害を受ける可能性もありますので、災害時の避難場所を想定する場合は多角的に検討しましょう。
田舎物件では土砂災害警戒区域に指定されている場所が非常に多く、大雨の際の災害が危惧される場所もありますので、そういった点も考慮した物件選びも大切です。

移住の足掛かりに

将来的に移住を検討している方、資金的に余裕がある場合は二地域居住も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
具体的には定年まであと5年程度の方など、徐々に生活の基盤を移したい方にはお勧めです。
お試しで二地域居住を始め、定年後その地域で定住していけるかを検討。定年後、都心の物件を売却し移住にシフトしたり、移住を諦める場合は田舎物件を引き払う(購入の場合は売却、賃貸の場合は解約)といった方法が想定されます。

自治体が移住体験住宅などを用意している事もありますので、数日~数カ月のお試しなどから始め見るのも良いでしょう。
ただ、旅行先での宿泊のようにあまりに短期間では移住を体験したとは言えません。なるべく長い時間・何度も訪れて滞在することで見えてくる事もあるので、体験住宅から始め、徐々に賃貸や購入を検討していくといいでしょう。

空き家問題の解消に

日本の空き家はどんどん増えています。地方移住は中々ハードルが高いですが、二地域居住など空き家の活用の幅が広がり定着すれば空き家問題の解消にもつながります。本頁で記述してきたように二地域居住は通常の移住に比べ、費用がかかる為、ゆとりのある世帯でないと検討は難しいのが実情です。
それでも二地域居住者が年々増えている背景もあり、今後活用がもっと広がり地方物件・空き家の流通促進に繋がっていけば幸いです。
ビギンズでは二地域居住向けの田舎暮らし物件も掲載しておりますので色々な条件で探してみてください。

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